先日の連休中に仕事が入り、子どもを見てあげられないので実家に連れて行きました。
実家は神奈川県の茅ケ崎市にある 「湘南ライフタウン」 という大きな住宅街の中にあります。どの鉄道の駅からもたっぷり離れていますが、神奈中バスが入っており、朝夜の通勤時間帯以外でも1時間に数本の便があり、行先も4駅、色々なコースがあります。
実家で父親と雑談している際、「ここ(実家)は駅からは遠いけれど、バスが充実しているからいいね」 という話になりました。
「私が住んでいる見沼区は、特に南側の方は、駅から遠くバスも少ない地域が結構あるよ」
「コミュニティバスをもっと走らせてほしいけど、「収支率40%」の要件があるんだよ」
すると父が、
「今後、人口も税収も減っていくので、不採算路線の廃止や縮小は必然だろう」
との趣旨の事を言い、うーん、と考えさせられました。
「採算」という言葉を出されると、しょんぼり諦めそうになる自分がいます。
長年企業で働き、求められてきた考え方だからだと思います。
でも、そもそも自治体の目的は利潤を生み出す事ではないはずです。
私達も自治体に雇用されているわけではなく。逆に自治体に税金を託しているのが私達で。
自治体が追求するものは、利潤ではなく住民の人権のはずだと思うのです。
使えるお金に上限があるのは当然ですが、可能な限り住民に広く還元するのが筋だと思います。
今、さいたま市内のあちこちで進んでいる、一体どこの誰のため?と不思議に思うような大規模開発。
それにたっぷりつぎ込んでいるお金には手を付けずに、福祉関係の課題にだけそのセリフを言うのは、利権優先の言い訳でしかないと思うのです。
例えばバス網を充実させる事により得られるものは、収支率よりもっと大きいもののはずです。
「どこに住んでも、幾つになっても、車がなくても、安心して暮らせる」それは人権であり、地域振興であり、格差是正でもあり、子育て支援にも繋がり、景気対策にも繋がっていくのではないのでしょうか。