【連載】れいコラム No.7 学童保育

「すっごい楽しかった!」 上の子が初めて学童保育に行った日、迎えに行くと、パーッと明るい顔で戻ってきました。
靴も靴下も泥んこ。ここまで思い切り遊ばせてくれるのか…!ありがたい、と心から思いました。

「異年齢で群れて目一杯遊ぶなんて、古き良き昔の話だ…。」 と思っていましたが、学童は正にそんな場所でした。
揉めごとも起こりますが、それも含めて貴重な経験の場です。

学童の指導員さんは、子ども達と一緒に走り、遊びます。安全に配慮し、揉めごとがあれば仲裁し、どの子も居心地よくいられるよう場を保ちます。
愛情はもちろん、心身のタフさ、観察力、判断力など、様々なものが問われる難しい仕事で、拘束時間も長いのに、低賃金です。担い手が少なく、どの学童も綱渡りの運営です。

学童保育に出される補助金のうち 「処遇改善費」 というものがあります。指導員の人件費への補助です。
1クラブあたり300万円まで出せる制度ですが、さいたま市は1クラブ100万円ずつしか出しません。
ゆえに市内の学童は、たいてい正規指導員2人体制で、後はアルバイトです。人件費がぎりぎりなのです。

コロナなど様々な事態に対応しなければならない現場で正規2人というのは、あまりに厳しいです。
大所帯で正規 3人体制を取っているクラブは、保護者が割高な保育料を負担しています。

「少子化」と、さも難しい問題のように政府やマスコミがいうのは、当事者の私から見ればこっけいです。
「とぼけるのはもういいから、さっさとお金を出しなさい!」 言いたい事はそれに尽きます。
子どもの事に限らず、価値あるものやサービスを生み出し、支えているのは、人なのですから…。